近年、アートや動画などのいわゆる「デジタルデータ」に唯一無二の証明を付ける手段として「NFT」が話題です。
特に自分の作ったNFT作品を販売する「マーケットプレイス」は一般人でも使うことができるため、比較的馴染みやすい技術でもあります。
しかし、NFT自体の歴史はまだまだ浅く、市場で未だに整備されていない部分も多くあります。
今回は、そんなNFTを取り扱う上での注意点を6つ紹介します。
- NFTを取り扱う上での注意点を知る
NFTとは?
最初にも紹介した通り、NFTとはデジタルデータに唯一無二の証明書のようなものを付ける技術です。
NFTの登場により、いままでいくらでも複製できたため、価値が無いとされていたデジタルデータに価値を持たせることができるようになります。
こういった唯一無二性は市場でも高く売れやすいため、NFT化した作品は多くの市場で出回っています。
NFTについての詳しい解説は以下の記事で行っているので、ぜひご覧ください。
NFTを扱う上で注意しておくべき6つのポイント
NFTを扱う上で注意しておくべき6つのポイント
NFTを取り扱う上での注意すべきポイントは以下の通りです。
- NFTのデータ自体はコピー可能
- 法律等が定まっていない
- データを使う環境により価値が落ちる可能性がある
- 身分詐称
- ハッキングされたマーケットプレイスも存在する
- 実際に詐欺に発展した事例も存在する
それぞれ詳しく解説していきます。
1.NFTのデータ自体はコピー可能
「NFTはデジタルデータに唯一無二の証明を行う技術」だと先ほどは説明しましたが、実はNFT化したデジタルデータ自体のコピーは可能です。
つまり、自分の作品がコピーされたものが市場に出回ってしまうことがあります。
NFTとはそのデジタルデータのコピーを妨げる技術ではなく、デジタルデータに証明を付ける技術だということを理解しておきましょう。
2.法律等が定まっていない
NFTはまだ歴史の浅い技術ということもあり、未だにコンプライアンスの基準等が未整備です。
例えば、現在の日本の法律上では、データのような無体物に所有権は認められないと考えられており、デジタルの所有権に関する決まりが定まっておりません。
また、「NFTの取引」と言っても、何を取引したのか明確でない場合も多いです。
このように、NFTの法律と言うのは未だに曖昧なものですが、近いうちにその基準が規定される日も来るでしょう。
NFTの法律についてはこちらがおすすめです。
3.データを使う環境により価値が落ちる可能性がある
NFT化したデジタルデータが、特定のゲーム機やハードウェアでしか使用できない場合、そのシステム環境が使用できなくなった場合、価値が落ちてしまうことがあります。
そのため、NFTを取り扱う場合は、それらのシステムについて予め調べておくことが大切です。
4.身分詐称
NFT用のプラットフォームは作品の取引を行うことを前提として作られているため、そのアカウント自体は本人の情報と紐づいている必要はありません。
そのため、NFTのプラットフォームでは誰でも複数のアカウントを作ることができ、身分の確認はそこまで重要視されていないため、身分詐称ができます。
しかし、これらの問題については様々なプラットフォームでの対策が進んで来ているので、近いうちに解決できる日が来るかもしれません。
5.ハッキングされたマーケットプレイスも存在する
何度も紹介しているようにNFTとはまだまだ歴史の浅い技術のため、その取引を行うマーケットプレイスも新しいものが多いです。
そのため、リリースしたばかりでセキュリティの弱いプラットフォームというのも存在し、実際にハッキングにあってNFTが流出したサイトもいくつか存在します。
そのような被害に合わないためにも、予めNFTのマーケットプレイスについて調べ、信用のできるプラットフォームを扱うようにしましょう。
6.実際に詐欺に発展した事例も存在する
過去には、実際にNFTを用いた詐欺事件がいくつか発生しています。
数あるNFT事件の中でも、もっとも多く行われている手段が「ラグプル(Rug pull)」です。
ラグプルとは、大きなテーマや目標を下にプロジェクトを開始し、それに賛同する人たちがプロジェクトにお金を出し(いわゆる出資金)、ある程度お金が集まったところで姿をくらます詐欺のことを言います。
以下の記事では、そんな実際にあったNFTの詐欺事件について紹介しています。
興味のある方はぜひお読みください。
注意点を覚えて安全にNFTを扱おう
今回はNFTを扱う上での注意点をいくつか紹介しました。
NFTは便利という反面、まだまだ未熟な部分が多い技術ですので、これらの注意点を踏まえて扱うようにしましょう。